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「カタコト」の日本語で外国人は大丈夫なのか?…値段について

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「カタコト」の日本語で外国人は大丈夫なのか?…値段について

「カタコト」の日本語で外国人は大丈夫なのか?…値段について

2023/04/20

こんにちは、イースト日本語センターの坂本です。

 

当センターではインドネシアやベトナム等の東南アジア諸国より技能実習生を受け入れております。ひらがな・カタカナの読み書きから日本語能力試験を見据えた学習まで、実習生ら各々のレベルに合わせて指導しております。

技能実習生は祖国の日本語学校にて一定期間の日本語学習を行ってから来日しますので、日常生活に困らない程度の力を身に付けてくる人や、中にはすでに日本語能力試験のN4やN3に向けて独自の学習を行っている人までいます。

一方で、祖国の学校教育のレベル自体に、日本とは大きな開きがあり、思わぬところで格差を実感することもあります。

 

日本語教育の初歩としてまず教えるのが、数字の数え方です。大きい筋になると西洋では3桁区切りが一般的ですが、日本では万、億、兆…と、4桁区切りで数える感覚のほうが近いのではないでしょうか?そのせいもあるのか、あるいは日本語での単位というものに慣れないのか、数千数万といった数字を読ませるだけでも間違えるケースは少なくないです。

今いる実習生たちに指導してみたところ、なまじっか複雑な数値よりも、0が多い数値のほうが苦手な傾向にあるようです。1,000,000円といった大きさの数字を読ませても「いちまん…オゥ、ひゃく…えん!」と、思い切りの良い間違いをしてしまいます。

とはいえ、これはまだ日本語に不慣れということで済む話ですが…

 

ところで日本では、プロ野球等でおなじみかもしれない「割・分・厘…」といった割合の表記があります。もちろん外国人はそれを知る由もありませんが、日本では未だに「割」をとりわけよく使います。ゆえに実習生らにも「1割=10%」ということはとりあえず教えます。そして、割合というものを理解したかどうか、簡単な計算をさせてみるのですが…これが驚くほどにできないのです。

 

例えば「500円の2割引」を問われたとします。皆さんはどう計算しますか?

 

おそらく小学校の段階で既に、2割引きということは20%オフ、よって500円に80%(80/100)をかける…という方法を習ったのではないでしょうか。あるいは、まず1割=10%=50円を求めて、それを価格から引いていく…ということも、計算の工夫としてはアリだと思います。もちろん割合の計算は苦手な子も沢山いますが、あくまで義務教育の段階で多くの人が身に付けることです。

ところが実習生にやらせてみると、多くの人が苦戦します。計算すらまともにできない状態では、割合の説明そのものも前に進めようがありません。例えば、写真のような計算を行ったときは以下のような流れ。

 

「1割=10%です。だから2割は?」「20%!」

「そうです!そしてこの『引』とは引き算、マイナスします。」「ハイ!」

「じゃあ500円の2割引は?」「えーと……」

「…電卓、使いますか?」「ハイ…100円です!」

「えーと、20%引なので、残るのは80%ですね?(図を見せる)」「…あ!…400円!」

「そうですね!じゃあこれはどうですか?19800円の10%引は…」「……」

「これも電卓がないと難しいですね。でも20000として計算すると、10%は?」「……」

「…2000円ですね。これでも頭の中で計算は難しいかな(汗」「あ、ハイ…」

「これを引き算して…大体18000円になります。いいですか?」「ハイ!」

「えーと…じゃあ、これは?430円の『50円』引は…」「えーと…ハイ!215円!​​​​​」

「そうじゃなくてね…」

このようなやり取りを繰り返して、ようやくわかってもらえたかなというところ…

 

こういった計算問題は、日本語教育の余興としての側面もありますが、

何より日本での生活において本来は必要不可欠なものと考えています。

技能実習生は入国後講習を経て実習先に配属された後、最初の給料日を迎えるまで、

組合から渡される講習手当と、なけなしの所持金でやりくりしなくてはなりません。

その後も給料のほとんどを祖国に送金する人が多いので、

無計画な浪費や、お金の計算ができないことは日本での生活上困るのです。

(あるいは数字の計算ができないと、場合によっては仕事にも悪影響を及ぼしかねません)

 

そうならないように、そして日本での買い物や生活がお得にできるように

生活の知恵の一環として計算というものを教えることと、

それを通して頭を使わせることもまた必要だと考えております。

私は時に優しく、時に突き放して考えさせる教育を通して、

実習生が学んでいく様を温かく見守るように努めています。

 

上記の通り、当センターでは技能実習生に向けた入国後一か月講習を行っております、また母体となる株式会社東は、インドネシア等からの特定技能外国人の登録支援も行っております。各種サポート内容に関しましては、ホームページの「業務内容」のページにございますので、ぜひご覧ください。

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イースト日本語センター
〒301-0856
茨城県龍ヶ崎市貝原塚町3025-4
電話番号 : 0297-86-7533


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